うつ病などの精神疾患に特徴的な症状を知っておく

 何年か前、新聞記事で、自身がオーバーワークになっていたという弁護士の体験談を読みました。オーバーワークになる中、自分が担当している労災事件などで知った、うつ病などの精神疾患に特徴的な症状が自身に出ていることを自覚し病院を受診した、受診していなかったら大変なことになっていたと思う、といった内容だったと記憶しています。その弁護士は、著書で勉強させてもらうなど一方的にお世話になっている弁護士だったので、あの人がそんな風になっていたのか、大変なことにならなくて良かった、という感想を抱きました。

 それからしばらくしてから、これは私も同じ状況になりかけているのではないか、と思う時期がありました。深夜に目が覚め、寝ようと思うけれども仕事のことが頭にどんどん浮かんできて、眠れない。日中も、仕事のことをぐるぐると考えてばかりいる。これは良くないと思い、意識的に、周りに相談するなど助けを求めるようにしました。

 仕事が背景となって労働者が精神疾患を発症してしまうケースの多くは、事業主が負っている職場環境配慮義務が果たされていないことが原因となっているので、職場環境配慮義務が果たされる方向で解決されるのが本来で、労働者が自己防衛をする義務はないと考えます。ただ、職場環境配慮義務が果たされる方向には進みにくい、あるいは職場環境配慮義務が果たされるまでには時間がかかるのが現実なので、可能な範囲で自己防衛術を身に付けておくことは、有用ではないかと思います。そのような点から、保健体育の授業などで、うつ病などの精神疾患に特徴的な症状を習う機会があると良いのではないかと思います。

 厚労省のホームページに以下のようなページがありましたので、ご紹介します。 
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス「うつ病」について