ホテルの新人調理師が、厨房の責任者を事実上担当することとなり自死した事案において、労災認定を得た事例

法的手続の内容

 ご遺族の手元には労働時間等に関する資料が存在しなかったため、証拠保全を行いました。

 しかし、職場の労働時間管理がずさんなため、労働時間に関する十分な資料を入手できませんでした。

 そこで、元同僚の方々の証言を粘り強く集めて労災請求を行いました。労基署は、上司不在のもとで被災者が厨房の責任者を事実上担当することになったという業務内容の質的変化と、フロアー係が若い被災者を無視したという同僚とのトラブルを認定し、労災と判断しました。

法的手続を終えて

本件は、残業時間に関する十分な証拠が得られなかった事案ですが、元同僚からの証言が複数存在したため、労災が認定されました。調理師という職業柄転職が多く、全国各地のホテル等に勤務する元同僚に連絡を取り、聞き取りを行い、聴取書を作成しました。労働時間の資料が十分に無い事案でも他の資料を用いて労災を認めさせることができたという意味で意義のある事例だと思います。

自死遺族が直面する
様々な法律問題について、
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