被保険者が加入していた生命保険契約につき、支払免責期間内に自死したことを理由として死亡保険金の支払が拒否されたものの、労災認定後に再度交渉したところ、死亡保険金が支払われた事例

法的手続の内容

 被保険者は精神科等への通院歴がなかったため、⑴の労災認定において自死当時中等症うつ病を発病していたことが認定されたことを踏まえ、生命保険会社に対して、生命保険金を支払うよう再度請求しました。請求に際しては、労災認定後に個人情報開示請求手続に基づき取得した労災認定までに労働基準監督署が作成・収集した資料の一部を添付しました。

 請求から2か月半程度で、死亡保険金が支払われました。

法的手続を終えて

労災について、本件では会社側がヒアリング調査を実施し、調査報告書を開示しました。ハラスメントが問題となる事案においては、会社側が調査を怠れば記憶が薄くなり事実の確定が困難となりますので、適切な調査を実施の上、情報を開示してもらうことが極めて重要であることを改めて認識しました。
また、生命保険については、死亡直後においては支払免責期間内の自死であることを理由に支払拒絶されたとしても、労災認定を経て、さらに資料を追加収集して請求することで死亡保険金が支払われることがあることはもちろん、特に本件においては、中等症うつ病であっても支払われたことが注目されます。

自死遺族が直面する
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