最近、遅延証明を電子化する鉄道会社が増えてきました。2026年5月現在、以下の鉄道会社が完全電子化、もしくは将来に向けて段階的な電子化を進めているようです。
(完全電子化した鉄道会社)
- JR西日本 2021年2月〜(近畿・京阪神エリア等)
- 西武鉄道 2023年3月24日
- 東京メトロ 2026年4月1日
- 京王電鉄 2026年4月1日
(段階的な電子化を進めている鉄道会社)
- 東急電鉄 2024年より順次(WEB発行を原則化)
- 相模鉄道(相鉄)2024年より順次(WEB移行を推進)
人身事故が発生した場合、鉄道会社から遺族に対して損害賠償が請求されることがあります。この損害の内訳についてみなさんはご存じでしょうか。
特急列車の場合は、特急券の払い戻し費用が発生します。そのため、普通列車と異なり賠償額が高額となる傾向があります。
他方で、普通列車の場合はどうでしょうか。損害として振り替え輸送費が請求されることは比較的想像しやすいと思いますが、もう一つ損害額の中で重要な費目が、実は人件費です。
人身事故が発生すると、遅延証明の発行などで、現在出勤している職員だけではなく、休憩中の職員を呼び出して業務を行ってもらう必要が生じるものと思われます。これらは時間外労働になりますので、多くの場合残業代も発生することになります。実際、損害賠償請求の内訳を見ると、人件費がかなりの部分を占めていたということも少なくありません。
遅延証明が完全電子化されれば、遅延証明の発行業務について人件費が相当程度抑えることができるようになると思われます。結果として、これらの会社については、遺族に対する損害賠償請求の金額も減少することに繋がるのではないか。電子化による経費節減効果の詳細についてまでは鉄道会社のHPなどを見ても記載が無いこと、事故の態様など人件費以外の要素もあることからすると一概には言い切れませんが、電子化が遺族の負担を軽減する可能性に期待します。