最初のご相談は「家族が借金を残して亡くなったので相続放棄をしたい。」というご相談でした。しかし、借金の内訳を確認すると、内装業の会社に勤務していた故人が精神障害となって働けなくなり、その間の生活費として借りている部分があることが分かりました。そこで、相続期間の伸長を行いながら、労災を請求して借金を返すという方針を立てました。
まず、労災ですが、故人は現場で内装を行う作業員であったため労働時間の把握が十分ではありませんでした。そこで、会社に対して証拠保全を実施したのですが、会社側が担当者不在を理由に資料の提供を拒み、証拠保全が夜までかかりました。最終的には証拠保全によって勤務日報など労働時間に関する資料を入手して労働時間を立証しました。
また、故人には心療内科や精神科の通院歴がなかったため、家族から様子の変化などについて詳細な聴き取りを行うと共に、ある日突然現場を放棄して出社しなくなったことなどを踏まえて、精神障害の立証を行いました。
労災は無事支給決定が下り、年金で消費者金融からの借金を返済することが出来ました。
会社に対する損害賠償請求訴訟では、やはり労働時間が最大の争点となりました。
会社の主張は「拘束時間はたしかに長いが、その間には休憩もたくさんあるため、拘束時間=労働時間ではない。」というものでした。そこで、同業の方から仕事の流れを聞いた上で、作業日報から作業内容を特定して、1日毎にどれだけ作業のために時間を要するのか推定して主張を行いました。
地裁の判決では、ほぼ原告側の主張が認容されて勝訴判決を得ることができました。