パソコンやWi-Fiの設置業務等に従事していた故人が、1か月以上連続勤務で出張したことによりうつ病を発病し、鉄道に投身して自死した事案において、労災認定がなされると共に鉄道会社からの損害賠償請求についても和解によって終了した事例

法的手続の内容

 故人は各地を頻繁に出張するような方でしたので、勤務実態をどのように把握するか問題となりました。出張用のパソコンは存在したものの、出張する人全員が共用して使用していたため故人がいつ使用したか特定することができず、パソコンのログから労働時間を立証することは不可能でした。

 そこで、出張の多さに着目して、出張報告書、出勤簿、ご遺族からの聴き取りによって、1か月以上連続して出張していることを立証しました。

 また、心療内科や精神科の通院歴がなかったため、ご遺族から何度も聴き取りを行って、様子の変化を把握し、精神障害の発病と発病時期を立証しました。

 これらの事情を踏まえて労災請求したところ、労基署は1か月以上の連続勤務を認定し、労災の支給決定を行いました。

 また、鉄道会社からの損害賠償請求も多額の請求を受けることなく、妥当な金額での和解が成立しました。

法的手続を終えて

労災認定は、原則として、精神障害の発病前おおむね6か月間の仕事のストレスが問題となるため、精神障害の発病時期が重要となります。本件は鉄道への投身であることや、自死直前には職場の人間も様子の変化に気づいていたため精神障害の発病は問題なかったのですが、発病時期を早めないと出張による連続勤務のストレスが考慮されない状態でした。そのため、ご遺族から何度も何度も様子の変化をお伺いしました。その点ではご負担をかけてしまったと思います。

自死遺族が直面する
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