法的手続の内容
ご遺族の手元には労働時間に関する資料が全く存在しませんでした。そこで会社に対して証拠保全を行い、タイムカードや日報などの資料を入手しました。
また、心療内科や精神科の通院歴がなかったため、ご遺族や故人の友人から様子の変化を詳細に聴き取りました。体調不良を訴えるようなLINEやインターネットで自死の方法を検索した履歴が残されていたので、これらの内容も精神障害の発病の立証のために使用しました。
これらの資料に基づいて労災請求を行ったところ、労基署は精神障害の発病を認めた上で、業務量の増加と長時間労働を認定して、労災であると判断しました。
法的手続を終えて
ご遺族は地方に住まわれていて、最初の打ち合わせの際にご自宅を訪問させて頂きました。駅まで迎えに来て頂いたのですが、お互いに顔が分からない状態なので、不安そうなお顔で線路の方を見ていたご遺族の姿を思い出します。
相談の際に、「子供が小学校に行っても、家に帰ってきたらドーナツを作ってあげたい。そのために労災を請求したい。」と仰っていたのを覚えています。
労災が出て数年後、あることがきっかけでお手紙を頂きました。そこには労災が出たおかげで経済的に安定し、子供にドーナツを作ってあげられるといった感謝の言葉が綴られていました。1つ1つの結果がご遺族の人生に大きな影響を与える以上、弁護士として結果を出すことの重要性を改めて強く胸に刻んだことを覚えています。
自死遺族が直面する
様々な法律問題について、
下記でさらに詳しい解説をしています。