不動産会社の支店長であった故人が問題の多い支店に異動後、長時間労働などの過重労働により重症うつ病エピソードを発病して1年程度休職し、休職期間満了後復職のための調整を始めたすぐ後に自死企図をして入院したものの、病院から外出をして自死した事例

法的手続の内容

 労働時間に関する証拠が不十分であったため、裁判所を通じて証拠保全をし、警備記録等、労働時間に関する証拠を集めた上で労災申請をし、労災と認定されました。 

 労災認定時に得た資料を用いて会社に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。発病して1年程度休職していたことから因果関係が争点となりました。訴訟のある時点で裁判官から和解勧告が行われ、会社に再発防止を約束させ、遅延損害金の一部も含む損害賠償金を支払わせる勝訴的和解をすることができました。

 生命保険金の請求では、保険会社は自殺免責を主張してきました。交渉によっても請求が認められなかったため、生命保険金請求訴訟を提起しました。うつ病エピソードにより、自由な意思決定能力が喪失または著しく減弱していたといえるか否かが争点となりました。主治医と面談を行い、主治医から見ても重症うつ病エピソードを発病していたという意見を頂き、証拠として提出しました。その結果、和解によって一定の保険金の支払いを得ることができました。

法的手続を終えて

証拠保全により、明らかでなかった労働時間を客観的に明らかにすることができました。損害賠償請求については裁判官の尽力もあり、和解であるにもかかわらず、遅延損害金の一部も含む損害賠償金を支払わせることができました。会社に再発防止を約束させることができた点も大きな成果でした。
生命保険金の請求では、うつ病の場合の意思決定能力の判断の困難さを感じました。主治医との協力関係が重要でした。

自死遺族が直面する
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