列車への飛び込みの場合は、人が当該列車と接触した際に、物理的に当該列車の一部を損傷させてしまうことが多く、当該列車の部品そのものが高額である場合は、その修理費用として高額な請求がされることがあります。
そのため、ご遺族から列車への飛び込みについて相談があった際には、相続の承認または放棄の期間伸長の申立てをするようにとアドバイスをしています。
今回のケースも、私たちからのアドバイス通り、ご遺族は期間伸長の申立てを行ったものの、途中から相続放棄はしたくないとの思いに至り、期間伸長の申立ての延期はしないことにし、亡くなられた方の相続を承認することを決断されました。
私たちは、その旨も正直に鉄道会社に伝えたうえで、亡くなられた方は、本件事故当時、「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にあった」と認められるので、損害賠償の責任を負わない(民法713条)との意見を述べました。
後日、鉄道会社に対し、本件事故当時は責任無能力であったことを示す様々な証拠とともに意見書を作成し送付したところ、鉄道会社から、「現時点において損害賠償請求権は行使しない」との回答を得ることができました。