労災請求については、ご遺族の手元に故人の労働実態を証明する資料が存在しなかったため証拠保全を実施して、介護施設においてパソコンのログや業務日誌等の資料を入手しました。その上で、労基署に対して、パソコンのログ等を踏まえて故人が長時間労働に従事していたこと、所長になることで業務内容が変化したこと、部下とのトラブルが生じたこと、及び利用者が急変した際に対応したことなどの心理的負荷を主張しました。もっとも、労基署は、パソコンのログを証拠として採用せず、所長として長時間労働をする必要性がなかったと認定して不支給としました。また、審査官も同様の判断を行い不支給としました。そこで再審査請求を行ったところ、労働保険審査会は、経験がない状態で所長となったことを認定し、長時間労働の必要性があったとして、労災の支給を決定しました。
会社に対する損害賠償請求の可能性を残すため、消費者金融からの債務について、労災の結論が出るまで2年程度、熟慮期間の伸長を繰り返しました。通常、熟慮期間の伸長は家庭裁判所に対する書面で行うことができます。しかし、最後の伸長の際には家庭裁判所から呼出を受けたことから、裁判官に対して直接事情を説明し、伸長が認められました。労災の支給後に単純承認を行い、労災から支給されたお金で消費者金融に対する借金を支払いました。なお、賃貸問題については、最終的に賃貸人から損害賠償請求を受けない形で終了しました。