被害女子生徒の本件自死については、第三者調査委員会による調査報告書において、いじめの事実の認定に加え、いじめ被害を訴えても解決されない経験を2年間繰り返したことは、大人に援助を求めても無駄であると不信感を強くし、その慢性的ストレスに、学校に対する不信感、徒労感や無力感なども加わり、次第に深いうつ状態になったことで本件自死に至ったと認められました。この調査報告により、独立行政法人日本スポーツ振興センターは、本件自死はいじめが原因であると認め、被害女子生徒の死亡に係り死亡見舞金を両親に支給しました。
その後、被害女子生徒の両親から依頼を受け、市に対して国家賠償法第1条第1項に基づく損害の賠償を求めて訴訟を提起。市側は、答弁書において、「国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うこと自体は争わず、損害額及びその調整(民法722条2項の適用・類推適用)を争う。」と述べたうえで、両親と和解協議を要望するとのことでしたので、裁判所において和解が可能かどうか協議しました。
両親側としては、本件においては、両親は学校側に対し何度もいじめ被害を訴えていたことや家族は良好な関係であったことなどを主張し、いわゆる過失相殺(民法722条2項の適用・類推適用)は認められないことを前提として、市が2年以上もの長期にわたって被害女子生徒のいじめを放置し続けてきたことが被害女子生徒を死に追い込んだことをしっかり認識し責任を取っていただくことが最も重要であると考え、和解協議を行い、訴訟で求めた損害賠償金額に近い金額での和解が成立しました。