知られたくない気持ち

家族が自ら命を絶ったなんて、知られたくない・・・

そう思っている遺族の方が多いのではないでしょうか。

遺族の方の中には、「交通事故で亡くなった」などと周りに話をしている方が多いようです。交通事故なら突然亡くなってもおかしくはない、一番周囲の納得を得やすいからだと思います。

自死は、弱い人がすること、不名誉なことだと思われているから、なかなか言いにくいのです。

私も、夫の死についてなかなか言えませんでした。

裁判官だった夫が自死したなんて知られたら、夫が今まで頑張ってきたことが全部失われてしまう、弱い人だったんだとか思われてしまう、子どもたちには知られたくないし・・・などが頭をよぎり、本当のことが言えませんでした。

家族の自死が周りに知られたらどうなるんだろう・・・
絶対に知られたくない・・・

その不安や気持ちはよくわかります。

家族の自死が周囲に知られることのないよう、訴訟をする場合でも名前や住所などが知られないように法的な手続きを行うなど、遺族の方の知られたくないという気持ちに十分に配慮するようにしています。

また、遺族の方の中には、「海外に仕事で行っているんですよ」など、まだどこかで生きているような話をしている方もいます。その方は、「あの子は、まだ生きていることにしたいから・・・」と言っていました。

まだ生きていることにしたい・・・

遺族の方の思いもそれぞれ、いろんな思いがあります。

当たり前のことですが、私たち弁護士が相談内容について口外することは絶対にありません。

ですので、安心してご相談ください。