65歳からの労災年金

先日、以前事件を担当した遺族の方から久しぶりに電話がありました。「年金額が突然下がった。理由が分からない。」とのことでした。

確認したところ、亡くなられたご主人(被災労働者)の年齢が今年で65歳を超える計算になるため、年金額が下がった模様でした。労基署の担当者が分かりやすく説明をしてくれなかったらしく、電話で担当者に再度確認してもらったところ、そのような理解で間違いないとのことでした。

労災遺族年金は、被災労働者の3カ月間の平均賃金をベースに1日分の賃金を算定し、これを基に家族の人数などを考慮して年金額を計算します。この被災労働者の一日の賃金を「給付基礎日額」といいます。
例えば、夫が死亡した場合、妻と18歳未満の子2人の家庭であれば給付基礎日額×223日分の遺族補償年金が支給されます。

そして、あまり知られていないことですが、この「給付基礎日額」には年齢階層ごとに最高限度額と最低限度額が定められていますが、以下のとおり65歳を過ぎるといずれの金額も大幅に下がります。

【最高限度額】
2万1111円(60~64歳)→1万5922円(65歳~69歳)

【最低限度額】
5804円(60~64歳)→4020円(65歳~69歳)

例えば、先に挙げた遺族3人の家庭でいうと、給付基礎日額が2万1111円だったものが65歳を境に1万5922円に減少します。年金額で言うと、470万7753円から355万0606円となり、年額115万円ほど減少する計算となります。 厚労省のHPに情報が出ていますので、詳細を知りたい方はご確認ください。「年金給付基礎日額の年齢階層別最低・最高限度額について」という部分に記載があります。

厚生労働省ホームページ
年金給付基礎日額の年齢階層別最低・最高限度額について

一般に65歳を超えて現役世代と同レベルの賃金を維持している方は少ないと思われるので、このような制度設計自体、やむを得ない点もあるようには思いますが、老後の将来設計が狂う可能性もあるので、労基署から事前に説明はしておいて欲しいと改めて感じました。私も65歳が近い方には予め説明するように心がけたいと思います。