スポーツ振興センターと死体検案書

こんにちは、弁護士の細川です。

児童・生徒の自死事件の場合、スポーツ振興センターから死亡見舞金が支払われる場合があります。

どのような場合に支払われるかは、自死遺族支援弁護団のHPをご覧になっていただければと思います。

⇒自死遺族が直面する法律問題 -学校でのいじめ-

今回は、死亡見舞金の請求を行う手続きで、いつも困惑することについて述べたいと思います。

死亡見舞金の請求は、基本的に、学校の設置者(自治体や学校法人等)が行います。保護者も行うことができますが、その場合でも学校の設置者を経由して請求することになっています。

私の経験ですと、お願いすれば、学校の設置者が請求の手続きをしてくれることがほとんどです(まれに、してくれない設置者もありますが・・・)。

死亡見舞金の請求の際には、死亡見舞金請求書、死亡報告書、死亡診断書又は死体検案書、災害報告書等を提出することになっています。

ここで1つ問題が発生します。

死亡診断書又は死体検案書に関しては、コピーは不可で、必ず原本が必要とされているのです。

しかし、死亡診断書又は死体検案書の原本は、市役所・町役場に提出してしまうので、遺族の手元にはコピーしか残っていません。

では、どうするのか?

スポーツ振興センターと直接やり取りを行うのは学校の設置者なので、その間で実際にどのようなやり取りが行われているのかはよくわからないのですが、以下のような処理を行ったことがあります。

①コピーに、死体検案書を作成した医師から「原本と相違ない」というサインをもらう。

②謄本を発行してもらう。

②は東京都監察医務院ではできるようですが、他のところでもできるのかはわかりません。

いずれにせよ、死体検案書の原本が手元にないことは明らかですし、また、死亡見舞金の請求をする際は常に原本性が問題となっていると思われますので、原本が必要だという運用を改めるべきだと思うのですが・・・