教員の長時間労働

 初めまして、大阪で弁護士をしております吉留慧(よしどめさとし)と申します。

 昨年この弁護団に加入して、現在2件の自死に関する案件を担当しておりますが、そのどちらもが若い教員の自死の事件です。

 教員の長時間労働が社会問題化して以降、2017年6月に文部科学大臣からの諮問を受け,中央教育審議会に設置された「学校における働き方改革特別部会」は,2019年1月25日に,「新しい時代の教育に向けた 持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」との答申を公表し,その後、これを踏まえ,同年12月には,「勤務」時間の上限規制の指針を定めるとともに,1年単位の変形労働時間制の導入を可能とする法改正がなされるに至っています。

 しかしながら、この変形労働時間制は大きな問題を抱える制度であり(詳しくはまたどこかで書きたいと思います。)、教員の労働時間の短縮化は一向に先が見えません。

 私が担当している事件の先生は、子どもが好きで、子どもと関わることが好きで教員になられた方でした。そのような方が数か月、数年の内に自ら命を絶つという状況まで追い込まれ、自死に至ってしまう。そのような状況が常態化してしまっています。

 私は、担当している事件の被災者、ご遺族の為に全力で事件に取り組むことで、今後の教員の労度環境の改善に資することができるよう微力ながら尽力していきたいと思っています。