相続人について

 ご兄弟の方から、兄弟が自死されたとの相談を受けることも度々あります。

 亡くなられた方に奥さんやお子さんがいらっしゃる場合もあれば、以前、結婚していたがその後、離婚され、配偶者の方がお子さんを引き取って育てておられ、離婚以後、親戚つきあいなど全くないという場合もあります。

 そうした場合、亡くなられた方の事情を一番知っておられるご兄弟が葬儀や親戚への連絡などおこなわれることになり、鉄道事故の場合は鉄道会社と、マンションでの自死の場合は家主や不動産業者、警察などとの応対もされることになります。

 亡くなられた方の預金や保険といったプラスの財産や、ローン、携帯本体の分割金などマイナスの会社も、郵便物や通帳の入出金履歴から手がかりを探し、マイナスの方が多ければ相続放棄を、調査に時間がかかりそうという場合には相続の承認又は放棄の期間の伸長申し立てを、故人の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てる必要があります。

 金融機関の負債の調査には、KSC(一般社団法人全国銀行協会(JBA)の全国銀行個人信用情報センター)JICC(株式会社日本信用情報機構)CIC(株式会社シー・アイ・シー)に照会することもできます。

 亡くなられた方に奥さんやお子さんがいらっしゃれば、奥さんやお子さんが相続人となりますし、奥さんと離婚されてお子さんを引き取っておられる場合は、お子さんが相続人となります。

 第一順位の法定相続人がいる場合、ご兄弟の方は相続人ではありませんので、この段階でご兄弟の方は相続することも相続放棄をすることもできません。

 こうした場合、まずは第一順位の法定相続人に連絡をとって、相続するのか、相続放棄するのか、あるいは相続の承認又は放棄の期間の伸長申し立てをするのかを第一順位の法定相続人に検討いただく必要があります。

 何年も連絡をとっていないため、第一順位の法定相続人に連絡先がわからないという場合は、弁護士がご兄弟から相続手続きの委任を受け、相続人調査をおこなうこともできますので、こうした場合は、遠慮なく弁護団までご相談ください。

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