子どもがいじめ等で自殺して自治体や私立学校法人に損害賠償請求をしたい、長時間労働やパワハラなどの過労自殺で勤務先を訴えたい。でも、裁判のことが世間にばれてしまうのではと心配して裁判を躊躇される方もおられると思います。
裁判公開の原則
裁判は原則として公開の法廷で行われ(憲法82条)、誰でも裁判傍聴でき、裁判所の期日簿にも当事者の名前が掲載されます。ニュース報道されるような事案は、傍聴希望者も多く、傍聴券が交付されたりします。
公開法廷で、原告や故人の名前などが口頭で述べられると、傍聴している人にこれらの個人情報が明らかになってしまい、私生活上、支障をきたすことにもなりかねません。
訴訟記録の閲覧制度
また、訴訟記録は原則として誰でも見ることができます(民事訴訟法第91条第1項)。しかし、それでは原告や故人の名前などの個人情報が一般に公開されてしまい、私生活上、支障をきたすことにもなりかねません。
個人情報やプライバシーを保護するための閲覧制限制度
そのため、原告は、訴訟記録中に、原告や故人の名前、住所、学校名、勤務先など「私生活についての重大な秘密」が記載されていて、それが見られてしまうと「社会生活を送るのに著しい支障を生じるおそれがある」場合、その部分を見られないようにしてほしいという申し立てを裁判所に対して行うことができます(民事訴訟法92条1項)。
裁判所が申し立てを認めてくれれば、公開法廷で行われる弁論や証拠調べにおいても、原告や故人の名前などを仮名で呼ぶといった配慮が行われ、裁判所の期日簿にも原告名は記載されませんので、傍聴する人や報道機関から、原告や故人の個人情報やプライバシーを守ることができます。
いじめの件で学校や自治体を訴えたい、長時間労働やパワハラなどの過労自殺で勤務先を訴えたい。でも、世間にばれたくないので裁判は躊躇していると心配される方は当弁護団にご相談ください。これまでの裁判経験にもとづき、アドバイスいたします。