弁護団では、生命保険・労働・賃貸・医療など、自死遺族の方が直面する様々な分野の相談を受け付けています。
僕たち弁護士は、相談者の方から、どのような事実があったのかをうかがい、その事実を前提として、必要な手続や見通しについて、法律論・裁判例・経験等を踏まえた法的アドバイスをすることになります。
それと並行して弁護士が次に考えるのは、相談者の方が言葉としてお話になった事実を、証拠をもって裏付けることができるかどうかということです。
それは、最終的な紛争解決手段である裁判(訴訟)が、事実に法律を適用して結論を得る手続であり、裁判所に事実を適切に認定してもらうためは、証拠による裏付けが必要不可欠になるからです。
どこかで聞いた気もしますが、真実はいつも一つ。でも、常に真実が解明されるとは限りません。「こういう証拠があれば事実が明らかになったのに…」と思うことは山ほどあります。
また、事実を裏付ける証拠は、時間の経過とともに失われていくことが多く「もっと早く相談してもらえたら…」と思うこともよくあります。
そういえば、先日開催された弁護団の勉強会でも、事実を裏付ける証拠をどうやって集めるべきか、意見交換していました。いくら理屈を勉強しても経験を蓄積しても「事実の壁」が立ちはだかりますが、臆することなく立ち向かっていきたいと思います。