1 当弁護団でご相談やご依頼を受けている事件でも、また弁護団員が弁護団外で対応している事件でも、いじめのご相談を多く受けておりますが、最近はLINEやX(旧Twitter)、InstagramなどのインターネットやSNS等においていじめが行われているケースも多いです。
特にLINEは現代では連絡手段としてもはや必須ともいえるツールであり、スマートフォンを持っている人であれば小中学生であってもよく利用しているため、そこでのトラブルは自然と多くなっています。
2 グループLINE内でのいじめの場合は、親や教員などに見られにくい空間であるため抑止が効きにくく、また簡単に一人対複数の関係が生まれやすい状況であるため、そもそもいじめが発生しやすい環境です。
加えて、面白おかしくしたスタンプであれば直接言葉にするよりも罪悪感なく攻撃的な内容のメッセージを送ることができ、さらにそのスタンプに便乗して他の者も同様の内容を送信するなどによりエスカレートしていきやすいという特徴を持っていることから、いじめが重大化しやすいものです。
さらに、このようなグループLINE内での悪口等からいじめに発展した場合、上記のような特徴だけでなく、教員においても、学校外で生じた事象であるとして積極的に関与しない(あるいは関与すべきでない)と考えている場合が多々あるという問題があり、その結果、いじめの発見の遅れや対応の不十分さなどを招いてしまうことも多いです。
3 先日(令和7年11月21日)、こども家庭庁と文部科学省の共管で設置された「いじめの重大化要因等の分析・検討会議」による分析及び議論の結果が取りまとめられた「いじめの重大化を防ぐための留意事項集」が公表されました。
その中の「いじめの重大化につながり得る要素・特徴」の項目においても、「インターネット・SNSにおけるいじめ」が挙げられており(45頁)、やはりインターネットやSNSではいじめが発生しやすいだけでなく、重大化しやすいことが明記されています。
上記留意事項集では、実際のいじめ重大事態調査の報告書から読み取れた重大化のプロセスも記載されていますが、やはりSNS上のいじめは様々な要素からエスカレートしやすいこと等の特徴や学校が適切な対応を行わなかったことなどから、いじめが重大化したケースの存在が挙げられています。
4 インターネットやSNSにおけるいじめを発見した場合などには、上記のように重大化しやすく、また教員の対応も不十分になりやすいという問題があるという意識を持った上で、「いじめの重大化を防ぐための留意事項集」の記載なども踏まえていじめ解消への対応に当たる必要があります。
そして、いじめの解消のためには、言うまでもなく教員による調査や指導が不可欠です。したがって、学校外で生じた事象であることを理由に調査や指導等の対応を行わない教員に対しては、学校外で生じた事象(グループLINE内でのからかいや暴言等)がきっかけであったとしても、その事象により児童・生徒間の関係がこじれ、クラスや学校内でも人間関係等に問題が生じているのであれば、教員としてその解消等に努める必要があり、ましてやいじめが生じているのであればいじめ防止対策推進法等に沿った対応が必要となることを教員に理解してもらう必要があります。
当弁護団の弁護士には、いじめによりお子様などが自死された事案に対応することはもちろんのこと、普段から学校や教育委員会などと関わっている弁護士もいるため、上記のような重要な点を学校現場に周知する取組みも引き続き行ってまいります。
このような活動の中で蓄積されたノウハウ等が弁護団内には集積していますので、いじめによる自死等の際にはお気軽にご相談ください。
なお、「いじめの重大化を防ぐための留意事項集」には、その他にも「いじめの重大化を防ぐための対応」や「いじめの重大化につながり得る要素・特徴」などがまとめられていますので、いじめ問題への対応にあたってはご参照いただければと思います。