団体信用生命保険

住宅ローンを返済中の方は、団体信用生命保険に加入されている方も多いと思います。団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が返済期間中に死亡したときなどに、その保険金で住宅ローンの残高が完済される保険です。

団体信用生命保険も生命保険ですから、契約等から3年以内の自死については保険給付を行う責任を負わないとする自殺免責特約が定められていることが一般的です。
もっとも、被保険者である故人が統合失調症などの精神疾患のため自由な意思決定に基づいて自己の生命を絶ったとはいえない場合は、自殺免責特約の適用がないと解釈されています。

>>生命保険問題についてはこちら

過去に住宅ローンの借り換えを2年程前にしてから自死された方の妻が団体信用生命保険について銀行に問い合わせると、「自殺免責期間内の自死だから無理です。」と銀行の窓口で、請求すること自体を断られてしまったという事例がありました。

その後、弁護士が代理してうつ病による自死だから自殺免責特約の適用はないと説明をし、無事保険金が支払われました。

窓口の職員の中には、自殺免責期間内でも精神疾患等により自由な意思決定に基づいて自死したわけではない場合は保険金が支払われるということを知らない人もいると思います。窓口で断られても、あきらめることなく、まずは、当弁護団にご相談ください。

不当に高額な請求に対しては弁済供託をするという手段もあります

借りていた部屋で自死された案件では、家主から、相続人や連帯保証人であるご遺族に対し、部屋の価値が下落したなどとして損害賠償請求されることがあります。

そのようなケースの裁判ではその部屋の賃料の1~3年分や自死行為により破損等した箇所の修理費等について支払い義務が生じると判断されることが多いです。
(詳しくは「自死遺族が直面する法律問題-賃貸トラブル-」のご説明をご覧ください。)

最近は減ってきたように思いますが、家主によっては裁判になればご遺族が支払わなければならないと判断されるであろう損害額をはるかに上回るような損害賠償請求をしてくることもあります。過去には大家から賃料10年分を請求してこられて当弁護団にご相談に来られたご遺族がいらっしゃいました。

大事な人を亡くした深い悲しみの中にいるご遺族が大家からの請求が正当なものなのかどうかなどを冷静に判断することなどできないと思います。
ですから当弁護団のホームページをご覧のご遺族は、大家から金銭の支払い請求が来るなどしたら、必ず当弁護団にご相談ください。

家主からの損害賠償請求の金額が不当に高額ではあるが、その一部については支払わなければならないため早急に支払いたいものの、大家が不当に高額な損害額全てについて支払わないのであれば、お金を受け取らないという場合もあります。
支払わなければ遅延損害金が年3%かかってきますので、支払えるのであれば早く支払ってしまいたいという方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合は、弁済供託という手段をとることもできます。
支払うべき金額を法務局に納めることで、大家に支払ったことと同じ効果が生じます。
裁判上、遺族が支払うべきと認められることが見込まれる金額を弁済供託することで、大家がそれ以上の請求をすることをあきらめてくれることもあります。

弁済供託は法務局に問い合わせれば方法を教えてもらえますので、ご自身でも可能と思いますが、支払うべき金額がいくら程かについては弁護士にご相談ください。
また、供託手続自体を弁護士に委任することも可能です。

亡くなられた方の声をすくいあげる―弁護士として

 法テラス岐阜法律事務所で勤務している弁護士の松森美穂です。

 自死遺族の方は、大切な方が亡くなられた際、悲しむ間もなく、さまざまな法的問題に直面されることが多くあります。そのような状況の中で、弁護士として、ご遺族に対し、法的問題の解決の道筋をお示しすることができれば、ご遺族のご負担が少しは軽くなるのではとの想いで、自死遺族支援弁護団に参加しています。

 弁護士は、依頼者や証人から、案件に関する事実を聴き取り、弁護活動をすることが多いですが、自死された方に関する案件は、たくさんの重要な情報を持っている方が亡くなってしまっていて何も話せない状態なので、事案の解明に苦労することがあります。自死された方が生前どのように過ごされていたのか、ご遺族も、全てを知っているわけではありません。自死される直前の様子はどうだったのか、どのような精神状態であったのか、会社でどのように仕事をしていたのかなど、自死遺族の取り巻く法的問題に関わる重要な事実について、亡くなられたご本人から、お話を聞くことができれば良いのですが、それができません。

 学生の時、「きらきらひかる」というテレビドラマの中で、監察医役の鈴木京香さんのセリフで、「亡くなった方は何もしゃべれないから、監察医が亡くなった方の声を聴いてあげて、真実を明らかにする…」というものがありました。当時、私は、そのセリフに、いたく心を動かされました。弁護士として働くようになって、亡くなられた方しか知らないような事情について、何か痕跡は残されていないかと資料を読んだり、調べ物をしたりするとき、私は、よく、鈴木京香さんのセリフを思い出します。監察医のようにとまではいきませんが、弁護士として、亡くなられた方が残したさまざまな痕跡を丹念に吟味して、真実をできるだけ明らかにし、自死遺族の方の法的問題の解決にお役に立ちたいと思っています。

 自死遺族の方々は、大切な人を亡くされた後は、精神的に疲弊したり、混乱したりしてしまい、ご自身が、自死に係る法的問題に巻き込まれていることや、ご遺族として行使しうる権利があることに、気付かないままであることが多いです。

 それでも、弁護士が、調査して、明らかになる事実は驚くほど多いです。まずは、われわれに、一度ご相談してください。