漫画『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』の「切なる想い」と「祈り」

 『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』 という漫画が、ビッグコミックスピリッツで連載されています。『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』は岡山弁だそうで、「頑張ってるかい?マサコちゃん」くらいの意味だそうです。
 作品はフィクションですが、森友学園問題によって人生を大きく狂わされた赤木俊夫さんと雅子さん夫婦を題材にしています。
 俊夫さんは近畿財務局の職員でした。決裁文書等の改ざんの指示に強く抵抗したものの、やむを得ず指示に従って改ざんを行いました。その後、改ざんに手を染めたことによる良心の呵責に苦しんで自死に追い詰められました。
 雅子さんは俊夫さんの自死後、俊夫さんの身に何があったのか、真実を知るために今も裁判を続けています。

 ビッグコミックスピリッツは1980年創刊だそうです。創刊当時記憶があるのは『めぞん一刻』です。その他の作品では、『14歳』、『ギャラリーフェイク』、『鉄コン筋クリート』、『F』が好きでした。大学生くらいまで毎週読んでいた記憶です。どの青年向けの漫画雑誌もそうですが、恋愛やスポーツを題材にした作品が多かったのではないでしょうか。
 しかし、私も完全に中年のおっさんとなり、ここ数年、ビッグコミックスピリッツなどの漫画雑誌を読むことは殆どなくなりました。『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』を読むために、 本当に久々に漫画雑誌を手に取りました。

 漫画も商売です。作り手にどれだけ思い入れがあっても受け手に伝わらず、エンターテイメントとして売れなければ、連載が途中で終わってしまうこともあるそうです。
 特に日本の場合、映画やドラマを見ているとよく分かるのですが、実際に起きた社会問題や人々の苦悩をエンターテイメントにすることが非常に苦手なように見えます。
  作り手にも受け手にも問題があると思いますが、主に作り手の覚悟や信念の欠如が大きいと感じます。私見ですが、日本の作品は陳腐に矮小化された作品が多く、感銘を受けた作品はごくごく少数しかありません。 

 その意味で、『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』 は、森友学園問題という現実の社会問題を題材にしているという点において、しかも、自死をした俊夫さんと自死遺族である雅子さんの物語を正面から題材としているという点において、作り手である原作家、漫画家、編集の強い覚悟と信念が伝わってきます。メジャーな漫画雑誌では今まで連載されたことのない挑戦的な作品ではないでしょうか。

 ビッグコミックスピリッツのホームページ上の作品紹介には、「この漫画作品はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありませんが、実在する人々の切なる想い、祈りには大きく関係しています。」とあります。
 この漫画の結末は、おそらくハッピーエンドではないでしょう。そして、若い女性の水着姿が表紙を飾っているところを踏まえると、読者層は10代後半から30代の男性だと思われます。 
 しかし、自死に追い込まれた俊夫さんと自死遺族である雅子さんの「切なる想い」と「祈り」が、老若男女を問わず多くの読者に届くことを切に願ってやみません。

自殺報道ガイドラインについて

ここ数年、芸能人の自死のニュースを見かける機会が定期的に続いているという感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そして、著名人の自殺が、一般の方(特に、子供や若年、自殺念慮を抱えている人)に対する影響を与えることが統計上明らかとなっています。令和2年の7月に男性俳優が、同年9月に女性俳優が自死した後、統計上、顕著に自殺者数が増えたというデータが存在しており、芸能人の自死が、ワイドショーなどのテレビ報道や、インターネット上の記事を通じて若年層に自死のきっかけを与えている可能性があります。

WHO(世界保健機構)は平成29年に「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識2017年度版」(「自殺報道ガイドライン」と呼ばれています)を定めており、かかるガイドラインよれば、<自殺関連報道として「やるべきでないこと」>として、「報道を過度に繰り返さない」「自殺に用いた手段について明確に表現しない」「センセーショナルな見出しを使わない」などが挙げられています。
他方で、<自殺関連報道として「やるべきこと」>として、「日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること」「自殺と自殺対策についての正しい情報を報道すること」などが挙げられています。

昨年末の芸能人の自死報道を見ても、朝からどのチャンネルでも長時間の特集が組まれ、上記のガイドラインが守られているのか疑わしいようにも思われましたが、ニュースの最後に相談窓口の案内がなされるなど、報道姿勢に変化も感じた番組もありました。

ただし、若年者層は、テレビ等の報道よりもSNSでの情報収集が中心です。報道関係者ではない個人の情報発信に影響を受けてしまう可能性が大いにありますが、個人のSNS発信は規制が難しい状況です。子供達がインターネットリテラシーを学ぶ機会も増えていると聞きますので、自殺報道に接した際の対応の仕方も教える必要があると考えます。 

「事故物件」問題について思うこと

 日本において、自死が発生した物件を「事故物件」として忌避する風潮があるとはご存じだと思います。

 「事故物件」情報をインターネット上で拡散するウェブサイトなども存在し、ひとたび「事故物件」として登録されてしまうと、物件が賃貸不能となったり、売却が困難となるなどの問題が生じるほか、実際に当該物件に住み続けているご遺族の生活の平穏が脅かされることも珍しくはありません。

 このように、「事故物件」であると周囲から認識されることによる弊害は従来から存在していましたが、今日では、上記で述べたような弊害に加えて、物件の「事故物件化」を避けようとする動きとして、高齢者などに対する貸し渋り問題などが生じているといいます。この問題は、必ずしも自死とだけ結びついた問題ではありませんが、「人の死に対する受け止め方」の問題として、自死問題にも関わるものといえます。

 人にはいつか命の終わりが訪れますし、自死を含む「人の死」に対する受け止め方を、社会全体で考え直す必要があるように思いました。

ネットいじめ問題の現状と対処法

1 ネットいじめとのかかわり

 私は、もともとは過労自死、生命保険、賃貸物件での自死など、自死に関する法律問題全般を専門的に扱っていましたが、私自身小学生の子を持つ親でもあることから、6~7年前からいじめ自死の相談を受けることが多くなりました。遺族の代理人として教育委員会と交渉を行ったり、遺族推薦の委員として第三者委員会で活動したりしている中で、2年ほど前にネットいじめ相談を受け、それ以来ネットいじめの問題に関心を持つようになりました。

2 ネットいじめの具体例

(1)使用されるアプリ

 かつてはネット掲示板(学校裏サイトなど)がネットいじめの温床とされていましたが、今日はSNSが利用される可能性が圧倒的に高くなっています。SNSの中でこどもの利用頻度が高いのはTwitter、LINE、高校生はInstagramやTikTokなどを使っていることもあります。また、オンラインゲーム(フォートナイト、荒野行動など)のボイスチャット機能などを用いていじめが行われることがあります。

(2)ネットいじめ行為の類型

 ネットいじめ行為の類型は、使用するアプリの機能に応じて多様に変化しています。典型的なパターンとしては、①Twitterなどでなりすましアカウントを作られ、虚偽の情報やプライバシー情報を暴露された、②自分の写真、動画を勝手に加工され拡散された、③lineなどのグループトークを外された、④いじめられているところを動画撮影され、拡散された、⑤罰ゲームとしてうその告白をされた、⑥過去の交際時の画像を拡散された(リベンジポルノ)、⑦オンラインゲームで、グループから外された特定のこどもへの集中攻撃が繰り返されたなどが考えられますが、今後も新しいアプリが開発されるたびに新しいパターンのいじめ行為が現れると予想されます。

3 ネットいじめの現状

(1)統計上も過去最多

文部科学省は、全国のいじめ事件の統計を取っており、毎年、調査結果の公表を行っています。(→文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)2021年10月13日に公表された、「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によれば、ネットいじめの件数は1万8870件で過去最多(平成29年度1万2632件、平成30年度1万6334件、令和元年度1万7924件。)となっています。学校が把握していないネットいじめも多数あると思われ、潜在的な件数はもっと多いことが予想されます。

 また、小中学校における不登校の件数も過去最多(19万6127件。)、小中高等学校におけるこどもの自殺も過去最多(415件。なお前年度は317件。)となっています。学校現場が現在非常に危険な状態となっていることが統計上も明らかとなっています。

(2)近時のネットいじめの特徴

 小学生でもスマホを持ちSNSを使うことが珍しくなくなった現在では、ネットいじめの特徴も変化が見られます。SNSを利用する場合、コミュニケーションの相手はクラスや友人などであり、多くの場合、現実に存在する人間関係を補完するツールとしてSNSが用いられています。その意味で、現在のネットいじめは掲示板などで見知らぬ人から攻撃されるようなパターンよりも、現実に存在する人間関係を前提に、ネット上でいじめ行為が行われるパターンの割合が増えています。つまり、ネットいじめの存在が確認できた場合、いじめ行為はネット上にとどまらず、クラスや部活動などリアルな人間関係の中にも広がっている可能性を疑う必要があります。

3 ネットいじめへの対処法

 ネットいじめの多くがリアルな人間関係を前提としている以上、2つのアプローチを併用する必要があります。具体的には、第三者委員会の設置など学校や教育委員会を通じていじめの実態解明を行うアプローチと、発信者情報開示などネット上のいじめの痕跡をもとに証拠収集を行うアプローチです。当事者適格の無い学校が発信者情報開示請求を行うのは不可能な一方で、学校におけるいじめの実態解明は生徒のアンケート等が非常に重要ですから、どちらか一方だけのアプローチでは不十分と考えます。

4「弁護士によるネットいじめ対応マニュアル」について

 私は、自死問題でともに活動してきた細川潔弁護士、私と一緒の事務所でインターネット事件を得意とする田中健太郎弁護士とともに、2年前からネットいじめ研究会を開催し、月1回のペースで議論を重ねてきました。そこでの議論をもとに、2021年11月、教育関係の専門書を数多く出版しているエイデル研究所から、「弁護士によるネットいじめ対策マニュアル 学校トラブルを中心に」を出版しました。

 本稿で述べている内容の多くは、この本からの引用です。本の中ではより具体的な対応策や、より高度な論点なども記載していますので、興味のある方は是非ご活用いただければと思います。

弁護士によるネットいじめ対策マニュアル 学校トラブルを中心に
細川 潔・和泉貴士・田中健太郎 著
「弁護士によるネットいじめ対策マニュアル 学校トラブルを中心に」

ネットいじめ問題

 はじめまして、弁護士の田中健太郎と申します。

 インターネット問題やマンション問題に取り組む中で、自死に関する案件を取り扱うようになり、自死遺族弁護団に加入することとなりました。

 文部科学省が2020年に調査した不登校等調査によれば、児童・生徒の自死や不登校の原因について、ネットいじめが1万8870件と過去最多となりました。

 世界的にもネットいじめ問題は深刻さを増しており、韓国ではアイドルがプライバシーの拡散を受けたり、誹謗中傷を受けたりすることで自死するというケースが跡を絶ちません。

 日本が行っているネットいじめ対策としては、プロバイダー責任制限法の改正に伴い発信者の特定に要する期間の短縮が図られたことや侮辱罪の刑罰に新たに1年以下の懲役・禁固又は30万円以下の罰金を加えたこと等が挙げられますが、教育現場でのネットいじめの対応はなおざりであると言わざるを得ません。

 私が執務を行う町田市でも小学6年生がネットいじめにより自死したとの報道があります。いじめに使用された端末は、文部科学省肝いりのGIGAスクール構想(児童・生徒の1人1台パソコン端末を配布して教育現場に活用する構想)で配布された学習用デジタル端末を用いたもののようで、デジタル端末の技術的な側面を偏重した教育の結果ともいえます。

 インターネットの問題が伴う自死に関して悩まれている方は、ご遠慮なく弁護団にまでご連絡下さい。

教員の長時間労働

 初めまして、大阪で弁護士をしております吉留慧(よしどめさとし)と申します。

 昨年この弁護団に加入して、現在2件の自死に関する案件を担当しておりますが、そのどちらもが若い教員の自死の事件です。

 教員の長時間労働が社会問題化して以降、2017年6月に文部科学大臣からの諮問を受け,中央教育審議会に設置された「学校における働き方改革特別部会」は,2019年1月25日に,「新しい時代の教育に向けた 持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」との答申を公表し,その後、これを踏まえ,同年12月には,「勤務」時間の上限規制の指針を定めるとともに,1年単位の変形労働時間制の導入を可能とする法改正がなされるに至っています。

 しかしながら、この変形労働時間制は大きな問題を抱える制度であり(詳しくはまたどこかで書きたいと思います。)、教員の労働時間の短縮化は一向に先が見えません。

 私が担当している事件の先生は、子どもが好きで、子どもと関わることが好きで教員になられた方でした。そのような方が数か月、数年の内に自ら命を絶つという状況まで追い込まれ、自死に至ってしまう。そのような状況が常態化してしまっています。

 私は、担当している事件の被災者、ご遺族の為に全力で事件に取り組むことで、今後の教員の労度環境の改善に資することができるよう微力ながら尽力していきたいと思っています。

弁護団活動を通して感じたこと

はじめまして。

大阪で弁護士をしております、別所 大樹(べっしょ だいき)と申します。

私が自死遺族支援弁護団に加入させていただいてから一年程が経ち、その間に様々な自死遺族の方々からお話を聞かせていただきました。

お話を聞いていく中で感じたことは、自死に関する様々な対応をご自身で行うことは困難であるということです。

例えば、マンション内における自死の場合、賃貸人からの損害賠償請求が考えられます。これに対する対応を考えるに当たっては、自死された方の遺産にはどのようなものがあるか、自死遺族の方が保証人となっていないか、賃貸人からの請求金額が妥当な請求金額か等を検討する必要があります。
自死された方にほとんど遺産がなければ相続放棄をすれば済むように思いますが、自死遺族の方が保証をしていた場合、相続放棄をしても損害賠償義務を免れることはできません。また、賃貸人からの損害賠償請求金額が過大である場合もしばしばあり、必ずしも賃貸人からの請求金額が妥当な金額であるとは限りません。

>>賃貸トラブルについてはこちら

マンション内における自死という一例を取り上げてみても分かるとおり、自死に関する検討事項は多岐にわたります。また、相続放棄をする場合、(相続放棄の期間伸長をしなければ)原則として亡くなられたことを知ってから3カ月以内に裁判所に相続放棄を申し立てなければならないという期間制限もあります。
ご家族の死により悲しみに暮れる中、3カ月以内にこれらの対応をすることは困難であると言わざるを得ません。

自死に関するお悩みをお持ちの方は、ご遠慮なく当弁護団までご連絡ください。

素晴らしい人生になるように

大阪で弁護士をしております、中江友紀(なかえゆき)と申します。

私は、週末によく映画を観ます。

「素晴らしきかな、人生」という映画をご存知でしょうか。

2016年の洋画で、ウィル・スミスが主演です。

娘を病で亡くし人生のどん底にある主人公が、奇妙な3人の男女との出会いを通して、新たな一歩を踏み出していくストーリーです。

原題は「Collateral Beauty」といい、「Collateral」には二次的な、副次的なという意味があります。

人生のどん底にあっても、だからこそ見えてくる些細な幸せや美しさを見逃してはいけない、そんなメッセージをくれる映画です。

私自身、身近な方を自死により亡くした経験があります。その時は、本当に落ち込みました。

ただ、その経験を経たからこそ気づけたこともありました。

正しい例かわかりませんが、例えば、亡くなられたその日に、絶望の中で天を仰いで見た空が、皮肉なほどに綺麗に澄んでいたことが印象的に残っています。落ち込んだ私を支えてくれる人がたくさんいることにも気づきました。

映画のメッセージのように、悪い出来事にも、何か副次的な良いことがあるのではないかと考えるようになりました。

何より、私にとっての悪い出来事があったからこそ、今となっては自死遺族の方の力になりたいと思うようになり、当弁護団に所属するに至っています。

どんなにつらい出来事があっても、何か二次的な、副次的な何かに気付き、出会い、一歩進める機会があるはずだと考えています。

そして、私は、当弁護団の活動において、一人でも多くの方が一歩前に進むことができるようなお手伝いができればと思っています。

微力ながら、弁護士としての自分にできる限りの活動と努力を重ねていきたいと考えています。

生きづらい社会を生きるわたしたち

 京都で、弁護士をしております高橋良太と申します。

 弁護士になる前から、社会問題としての自死に関心がありました。

 日本では、毎年、多くの方が自死で亡くなっています。自死は精神疾患により自死をせざるを得ない状況に追い込まれて亡くなられる場合が多く、このように追い込まれる背景には長時間労働、パワーハラスメント、いじめ、貧困など多様な社会的・経済的問題がある場合が多いです。

 自死というのは、単なる個人の気持ちの問題ではなく病気(精神疾患)の問題であり、そして、単なる個人の問題ではなく社会的・経済的問題が背景にあると考えています。

 しかし、日本では、個人の気持ち等の問題と考えるような風潮がまだまだあり、個人一人に問題を抱え込ませてしまう風潮があると感じています。また、精神疾患に対する偏見もまだ多く存在しているのではないかと感じています。精神疾患を抱える人にとってはとても生きづらい社会です。

 このような問題が少しずつでも日本から解消されていかない限り、毎年、多くの方が自死に追い込まれる生きづらい社会は変わっていかないのではないかという思いを強くもっています。

 そして、多くの方が自死されるということは、多くの方が大切な方を亡くされるということです。大切な人を失った痛切な悲しみや喪失感、無念さは言葉にもできないような、胸が張り裂けるような辛い思いだと思います。亡くなられた大切な方を忘れることなく、辛さや悲しみや喪失感など様々な感情が入り乱れ、心をすり減らしながらも日々を過ごしている方もたくさんおられると思います。

 しかし、そのような心が摩耗した自死遺族などにも様々な問題が降りかかってきます。弁護士にできることは、そのような問題を整理し、解決することだと思います。少しでもお力添えをできればと思い、私も自死遺族支援弁護団での活動をさせて頂いております。

 このような活動を続けながらも、生きづらい社会が少しずつでも変わっていくように微力ながら様々な活動をしていきたいなと考えています。

団体信用生命保険

住宅ローンを返済中の方は、団体信用生命保険に加入されている方も多いと思います。団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が返済期間中に死亡したときなどに、その保険金で住宅ローンの残高が完済される保険です。

団体信用生命保険も生命保険ですから、契約等から3年以内の自死については保険給付を行う責任を負わないとする自殺免責特約が定められていることが一般的です。
もっとも、被保険者である故人が統合失調症などの精神疾患のため自由な意思決定に基づいて自己の生命を絶ったとはいえない場合は、自殺免責特約の適用がないと解釈されています。

>>生命保険問題についてはこちら

過去に住宅ローンの借り換えを2年程前にしてから自死された方の妻が団体信用生命保険について銀行に問い合わせると、「自殺免責期間内の自死だから無理です。」と銀行の窓口で、請求すること自体を断られてしまったという事例がありました。

その後、弁護士が代理してうつ病による自死だから自殺免責特約の適用はないと説明をし、無事保険金が支払われました。

窓口の職員の中には、自殺免責期間内でも精神疾患等により自由な意思決定に基づいて自死したわけではない場合は保険金が支払われるということを知らない人もいると思います。窓口で断られても、あきらめることなく、まずは、当弁護団にご相談ください。